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電力の需給逼迫について

電力の需給逼迫について

2022年3月21日夜に東京エリアで初の「電力需給逼迫警報」が発令され、22日には東北エリアも発令されました。東京エリアでは23日11時まで継続していましたが、多くの方々の節電のご協力と職場の努力により、今回は広範囲での停電を回避することができました。節電等ご協力いただいた全ての皆さまに感謝するとともに、持ち場・立場で懸命の取り組みを重ねられた関係者の皆さまに敬意を表します。

特に、火力発電所では補修や点検の時期を調整して急きょ再稼働させたり、増出力運転を行うなど、大変な努力が行われました。こういった現場の努力によりギリギリのところで供給力が確保できました。

今回の電力需給逼迫は3月16日に発生した福島県沖を震源とする地震により被害を受けた火力発電所が停止している中で、天候の悪化により太陽光発電の出力は低下し、気温の低下に伴い暖房用の電力需要が急増したために起こったわけですが、電気は貯めておくことができず需要と供給を常にバランス(同時同量)させなくてはなりません。

現時点で唯一、大量の電力を蓄える方法として揚水発電がありますが、電力需要の少ない夜間などに高所にある貯水池に水を汲み上げておき、電気の使用量が増える昼間に発電に使用します。貯水池に水がなくなれば発電できなくなってしまいますが、今回は何とか持ちこたえることができました。

また、最近では世界的な政情不安により原油や石炭、LNGなどの化石燃料価格が高騰するなど、エネルギーの安定供給には暗雲が立ち込めています。

資源に恵まれない日本の「エネルギー安全保障」を確保するためには「S+3E(S:安全+3E:安定供給・経済性・環境)」の考えのもと、再エネや原子力・火力等、既存の設備や人材、技術を最大限活用した現実的なエネルギー政策が必要です。

電気は生活に欠かすことのできない重要なものです。電力の小売り全面自由化で電力会社がコストダウン等をしている中で、供給設備に余力を確保することは大変難しい問題であり、誰がどの様に取り組むべきなのか、どこでもいつでも安心して使える電気を送り続けるためにはどうすべきか、電気をお使いになるお客さまのために、そして安定供給を担う電力関連産業の仲間のためにも国全体でしっかりとした政策議論をすべきだと考えています。

 

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